おなかの赤ちゃんは、とても順調に育っていた。
けれど、夫のすーちゃんもわたしも、もう30代半ばも目前なので、
胎児に染色体異常がないかどうか、少し不安だった。
30代後半になると、妊娠のリスクは格段にアップして、
染色体異常
の子どもが生まれる確率が上がって
しまうそうなのだ。
そこで健診の時、先生に相談してみた。
「生まれてくる子どもが染色体異常かどうか調べる検査を
したいんですけど』とわたしが言うと、先生は、「この病院ではその検査を実施していないので、ほかの施設に行って
やってもらうことになります」
と言った。
そこでわたしは、「ほかの妊婦さんで染色体異常の検査をする人はけっこういるんですか?」
と聞いてみた。
「ほとんどいません」
と先生は言った。
この先生のひと言で、わたしは検査をしないことに決めた。
お母さんになる人たちはみんな、赤ちゃんが生まれてくることを
望んでいるんだ。
自分がその検査を受けたとして、もしもダウン症の子が生まれてくる
可能性があるなどと言われたとしたら、
中絶をしてしまうのだろうか、と考えた。
さんざん考えたけれど、そんなことはとてもできないだろう、
という結論になった。
わたしもこの子が生まれてくることを、強く望んでいるのだ。
すーちゃんは、「たとえダウン症の子が生まれたとしても、うちらの子どもなんだから、
がんばって育てられるよ」
と言った。
とてもうれしかった。
それからわたしたちは、おなかの赤ちゃんに胎児名をつけることに決めた。
『ぽんすけ』という名前にした。
男か女かまだわからないけど、どっちでもぽんすけ。
おなかに向かって名前を呼ぶと、なんだかさらに親近感が増して、
愛情がわき上がってくる。
この子がどんなでも、会える日が楽しみだ。